今回は特別ゲストとして、六甲道校のご近所にお住まいの、一風変わった働き方をされている長澤さんをご招待し。当校取締役代表の森田がインタビュー形式でお届けします。
リモートでグローバルに働く
リモートで
グローバルに働く
ハックの代表を務める森田です!
今回、長澤さんとこうやってお話できてることに巡り合わせを感じてます(笑)。
本日はよろしくお願いいたします!
確かにそうかもしれません(笑)。宜しくお願いします。
とある機会に僕が長澤さんのお話を聞かせていただくことがありまして。
なんと、日本にいながら海外企業に勤務していて、しかも勤務先が僕が使っているアプリを開発してる企業で。
さらには住んでいるのが六甲道ですぐ近所!もう驚きと興味しか感じなかったです!
現在はDoist Inc.に勤務されているとのことですが所属はアメリカになるんですか?
そうですね、本社オフィスはアメリカにあります。ただオフィスとしてはほぼ機能していないというか。
社員は全員オフィスには出勤せずにリモートワークで働いています。
僕もそれを聞いた時に驚きました。日本でもコロナ禍に政府が「出勤者数の7割削減」を推進してましたが、長澤さんの会社は全員リモートワークですもんね。
社員は何名ぐらいいるんですか?
今現在は100名ほどだったと思います。
100名ですか!
やっぱり皆さん長澤さんのように海外から業務されているんでしょうか?
そうですね。社員は世界中にいていろんな国からリモートワークで仕事をしています。
その中で日本から勤務されているのは長澤さんだけですか?
そうですね、日本からリモートワークで勤務しているのは私だけです。
日本人という括りで言うと私以外にもう1名いるんですが、その方は今現在ギリシャに住んでいて。
なるほど、じゃあ同じ日本人の方とコミュニケーションを取ることがあったとしてもタイムゾーンが結構違うんですね。
そうですね(笑)。
逆にタイムゾーンが近い同僚で言うとオーストラリアですね。オーストラリア人の同僚は勤務時間が比較的被っているのでコミュニケーションが取りやすいです。
なるほど〜。距離も離れていて季節も真逆なのにチャットで一番連絡取りやすいのがオーストラリアって不思議な感じですね。
業務ではどういうことをされているんですか?
僕が使ってたのが、まさしくiOS版「Todoist」です!
TodoistはAppStoreでトップに出てくるぐらい超有名なTodo管理アプリですよね。
もう1つの「Twist」はどういったツールなんでしょうか?
トピックベースで非同期に業務コミュニケーションを取るためのツールです。
冒頭でもお話ししたように自分たちの会社は社員全員がリモートワークで仕事をし、住んでいる場所もタイムゾーンもバラバラでして。このため自分たちが使いやすい、こういう機能が欲しいというものを自社開発したものがTwistです。
なるほど、業務コミュニケーションツールなんですね!
はい。たとえばSlackのようなチャット型コミュニケーションツールって双方で同じ時間を共有していればインタラクティブに話が進みますが、時差出勤や別作業で確認が遅れたり、あるいは別の議論が始まったりすると、どこまで話してたかよく分からなくなって議論が難しいんですよね。
一方でTwistは、議論ごとにコミュニケーションが取れる仕組みになっているので、それこそタイムゾーンが違っていても話題が追いやすく、円滑に結論まで持っていけるようになっています。
非同期な働き方で生産性を上げる
通常のコミュニケーションと比べて非同期コミュニケーションはどう違うんですか?
メリットはすぐに返事を返さなくて良いので自分のやるべきことに集中できることですね。
デメリットはその逆ですぐに確認が必要なことであっても待ちが発生してしまうことです。
なので非同期コミュニケーションを前提に仕事をする場合は、チームで事前にそういう動き方に特化する必要があります。
なるほど、コミュニケーションレベルを意識するんですね。
チャット、電話、対面で即時性って変わるし、そこに非同期のレイヤーを作って業務を組んでいく感じですね、きっと。
はい、おっしゃる通りです。
僕らの場合は「これは本当にチャットで話すべき内容なのか?」とか「相手に取って緊急性はある内容なのか?」を考え、極力非同期でコミュニケーションを取ることを意識しています。
開発業務について聞いてもいいですか?
日本のIT企業に勤めていた頃と今でスタイルの変化みたいなものはありますか?
そうですね。
似たような回答になりますが、やっぱりリモートワーク中心であることが一番の違いですね。
タイムゾーンが違う同僚と同じことに取り組むので、働き方は変えざるを得ないというか。
チームメンバーが日本人かそうでないかで大きな違いはありますか?
やっぱり国によって文化や気質みたいなものが違うのでそこは多少は出ますね。とはいえ、同じ日本人であっても考え方や思想が必ずしも同じとは限らないですが…。
あと多様性は物凄く感じます。アプリで言うと、この言語は絶対ローカライズが必要、とか、機能追加の話になると日本人ではまず発想しないような、その国の地政学を汲んだ提案とか。
そういう現場を目の当たりにしていると、やっぱり海外で働く方が新たな知見を得る機会は多いと感じます。
業務を通して価値観が拡がっていく環境が素晴らしいですね。働き方や環境においてはよく理解できました。
ところで、リモートワークって移動時間がないのでどうしても仕事を詰め込んじゃったりしないですか?勤務時間においてメリット、デメリットみたいなものがあれば教えて欲しいです。
会社によるでしょうが、僕が勤務している会社ではコアタイムが存在しないので、ワークライフバランスを自分で決めることができるのはメリットに感じます。
通勤もないですし。1日の中でプライベートの時間配分も自分で自由に設定できます。
デメリットはその裏返しになるかもしれませんが、しっかり区切りを設けないと自分のペースで働き過ぎてしまうことですね。
プライベートと仕事の境目が曖昧になってしまうこともあるし、仕事の中身においても自分のタスクに時間を使えてしまうので、同僚とのコミュニケーション不足を引き起こしてしまうこともあります。
分かる気がします!
仕事に集中すると他のことが手につかなくなることありますね。
同僚とのコミュニケーションを補うという面では、確か長澤さんの会社は年2回世界のどこかで集まる催しがあるんでしたっけ?
ありますね。僕らはリトリートって呼んでます。
普段からリモートワーク中心の会社なので絆を深める名目で、年に2回世界のどこかで集まってます。
ここ3年はCOVID-19の影響で集まれないこともありましたが、チリのサンティアゴ、ポルトガルのアゾレス諸島、あと最近だとオーストリアで開催しました。
すごい!現地に行くだけで楽しそうですね。
そうですね。実際多くの社員はリトリートに合わせてその前後で休暇を取ってそのままバケーションを楽しんでます。羽を伸ばす良い機会にもなってますね。
めちゃくちゃ良いですね!うらやましい!
あとインタビュー前の雑談の中で面白いなと思った給与のお話をしても良いですか?
長澤さんの会社は通貨の種類を選べるんですよね?
はい、1年に1回給与の支払い通貨を選べる仕組みがありますね。
基本は住んでる国の通貨を選択する人が多いんですけど、通貨レートの関係でUSドルがよければUSドルでもらうこともできます。
日本の会社で働くと円が当たり前ですし給与の為替レートなんてまず考えないので、業務だけでなく対価を得る時も新鮮味があって良いですね!
海外転職活動の秘訣
そもそもなぜ海外勤務をしようと思ったんですか?
大学生の頃にシリコンバレーの会社を見学したのがきっかけですね。
その時にグローバル企業のオフィスや働き方、現地で働く日本人社員の方とお話しする機会があって。
話を聞けば聞くほどエンジニアとしてグローバル企業で働いてみたいなという思いが強くなったのを覚えています。
なるほど!そして今は夢を実現しているわけですね!
実際のところ海外勤務ができる会社ってどうやって探すんですか?
皆さんかなり興味がある部分だと思います。
海外の転職サイトですね。
ヨーロッパだとリモートで働けるプログラマーを募集している会社が一定数あったりして。必要なものはやっぱり英語は必須ですね。
あとはLinkedInの情報を充実させ、とにかくコンタクトを取ってもらいやすい状態を意識して作っていました。
ちなみに、ようやく見つけたとしても、日本でもそうですけど、就職試験みたいなのがあるじゃないですか。それは実際どのようなことをするのですか?
僕の場合、いきなり技術的なことに対して英語で議論し知識を確認されつつ、その後テストプロジェクトに参加して技能面を見られる感じでした。
プロジェクト内のタスクは持ち帰ってもいいんですが、どれも1週間程度の期限が設定されていて、タスク完了後にも技術的な部分を中心にディスカッションを求められましたね。
実際の業務であるかのような内容の面接だったんで、僕としてはすごくやりやすかったです。
あと、当時英語はそんなに話せてる気はしなかったんですが、表現力や綺麗さではなく、業務面で要点を伝えることができるかで評価してくれたのが良かったなと感じます。
英語は避けて通れない感じですね。
海外企業で働く場合どの程度の英語力があると面接に挑める、あるいは受かるみたいなものがあったら教えて欲しいです!
それぞれの能力の要求レベルは募集要項に書いてありまして。英語に関しても、そのポジションで「自分の言いたいことが言える」「相手の言ってることが聞き取れる」「ちょっとした議論ができる」必要があると思います。
一方で言い回しや表現力に関してはそこまで意識しなくて良いかなと思います。どうしても言いたいことがうまく伝えれなかったら後からフォローアップでメールするとか、その辺は融通は利くと思うので。
あくまで業務能力を見ることが本質だと思うので、本業の能力を重視した方が採用確率は上がるのかなと思います。
英語力は最低限でもかまわないけど技術部分は尖っておけってことですね。
チャレンジングでいろんな海外企業の面接を受けてみるのも面白いかもしれませんね!
そうですね。自分の市場価値を見極めたり、所得が本当に見合っているのか確認したり、面接を物差しがわりに気軽に受けてみるのもいいと思います(笑)。
そう言えば某A社さんも受けられたんですよね?
どんな感じの面接だったんですか?
毎回違うチームの方と面接する機会があって合計十回ぐらいありました。
ポジションとかにもよると思うんですけど、面接を一通りこなすだけで大変でしたね…。
まぁそれほどしっかり見てくれてるってことだし、応募者も多数ってことなんだと思います。
余談ですが面接受ける前と受けた後で某A社さんのイメージって変わりました?
社員の方が気さくでカジュアルに接してくれる方ばかりだったので、プロダクト、やりたいこと、揃えたい人材、すべてに妥協がない、まさにトップオブトップの会社だなと改めて実感しましたね。
面白いですね!
グローバルで名前聞くような会社さんに直接面接応募することなんてないので、すごく勉強になります(笑)
インタビュー前編では、長澤さんから現在のお仕事や海外勤務についていろいろお聞きしました!
インタビュー後編は、子供の頃からのお話もお聞きしていきます!(^-^)ノ
( 取材:森田 / 執筆・撮影:岩崎 / デザイン:森本 )